アンコンシャスバイアスによる働き方の変化
最近、アンコンシャスバイアスについて説明を受ける機会がありました。日本語にすると「無意識の偏見」となります。こうやって言語化されると、いろいろな場面でアンコンシャスバイアスが存在することに気づきます。感想文みたいな感じで、僕が感じたことをつらつらと書いてみました。
ちょうどその日の夜、こんな記事が僕のメルマガに入ってきました。僕の感想として書いた内容とリンクするようなことが書かれていて、引き寄せるんだなと思いましたね。
以下、、、
===========================
アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)について説明を受け、普段当たり前のように目にしていることや耳にしていることがアンコンシャスバイアスに該当しているなと感じました。
事業計画のブレストの中で、「ダイバーシティは推奨していきたいけど、外国人の方ってうちの仕事に定着しないですよね。」とか、「副業は認めてあげたいけど、うちのメンバーに副業を認めると本業に影響が出るよね。」とか、その人のアンコンシャスバイアスでの発言があります。
こういった発言の裏には、発言者が経験してきた場面に登場してきた人がそうだっただけであり、一般論ではないという前提がありますが、本人は気付いていません。
なぜなら、アンコンシャスバイアスを通してそれが「当たり前」「普通」になっているからです。
むしろ、同調を求めてきたりもします。
この議論になった瞬間に、一旦ブレストを止めざるを得ません。
個人のアンコンシャスバイアスが入ってきた時点で、適切な議論はできなくなるからです。
今、僕が推奨しているのは、「正解のない問題に対して議論をする」ということです。
その際のルールとして、個人の考え・価値観・偏見を言うのは禁止で、自身が知っている事実(ファクト)に基づいて意見(オピニオン)を言うというものです。
このような意識を持つと、アンコンシャスバイアスは出にくくなります。
ただ、それは上記のようなルールに従っているだけです。
いざ、日常的な業務に戻ると、アンコンシャスバイアスが垣間見えてしまいます。
これは非常に残念なことです。
バイアスはあっても良いとは思います。
育ってきた環境や人間関係の中でできてくるものですし、それこそその人の「個性」と言い換えることもできます。
問題なのは、「無意識」であることだと思います。
無意識であるが故に相手を傷つけてしまったり、属人的な判断になってしまったりします。
ちょっとだけ自分を俯瞰的に見るだけで、「無意識の偏見」が「意識的な偏見」に変化し、偏見をコントロールすることができると思っています。アンコンシャスバイアスという概念が、これからの労働市場の中でキーポイントになってくるのではないかなと感じることができました。
今やっている仕事に当てはめていくと、アンコンシャスバイアスを意識化することの大切さを感じます。
1つ目は採用面。
採用では今、人手不足による選考のAI化が加速しています。
某大手企業では、書類と適性検査の結果をAIに読み込ませ、ハイパフォーマーの素質があるかどうかを判断しています。
某ベンチャー企業では、録画した動画面接をAIに読み込ませ、バーバルの側面とノンバーバルの側面からハイパフォーマーになるかどうかを判断しています。
これにより、人事担当者の工数削減に繋がるのは間違いありません。
2つ目は人材紹介面。
上記の事例にも近いですが、某大手人材会社ではキャリアアドバイザーの工数を削減させる為に、履歴書や職務経歴書をAIに読み込ませ、その人に適した企業を自動で出力させています。
できる限りキャリアアドバイザーの工数を削減するという流れになってきているのは間違いありません。
この2つの事例は、「担当者の工数削減」と「担当者のアンコンシャスバイアスによる属人的な判断をなくす」という狙いがあるはずです。
RPAの発達により、こういった流れは加速するのかなとも考えています。
ただ、僕自身はこれとは逆のことを考えていて、今の会社でビジネス化しています。
「人の選考結果」や「人の転職先」をAIが決めているという事実を、その該当者が知ったらどう思うか?
いろいろな企業、いろいろな職種の方にヒアリングした結果、「ちょっと嫌だな」と言っていました。
じゃあ、どんな人に言われたら納得ですか?と聞くと、「信頼されている人に言われたら納得すると思います」と。
僕はここに、「人にしかできない仕事があるのかな」と考えています。
選考結果や転職先を自動化すると、その後も別に人じゃなくても良いと思いますから、「判断」するのは最終的には人であるべきだと感じています。
だからこそ、採用担当とかキャリアアドバイザーという仕事の価値はもっと上がっていくべきだと考えています。アメリカのプロ・リクルーターは年収1,000万円を超えますが、日本では考えられません。
話が少し逸れましたが、上記のような「人の判断」に寄り掛かるようになった時、その判断する人がアンコンシャスバイアスを持っていて、それを認識していなかったら、それは悲しいことです。
いろいろな仕事が自動化されていく一方で、人にしかできない仕事が価値を持ってきます。
人にしかできない仕事に従事する人は、少なくともアンコンシャスバイアスを認識していてほしいなと個人的には感じました。
今回、アンコンシャスバイアスの概念を知ることができて、今後の仕事において良い影響を及ぼすと思っています。
===========================
少し長くなってしまいましたが、アンコンシャスバイアスという概念は非常に重要かなと思います。
人が仕事をしていく上で、アンコンシャスバイアスが一切なくなることがないですから。
そこで考えるべきは、「どこの領域であれば人のアンコンシャスバイアスが介入しても良いのか?」という線引きをすることかなと。
ここはいわゆる「経営者」の仕事。
だからこそ「経営者」という仕事は人にしかできないと言われているのでしょう。
アンコンシャスバイアスという概念を意識していると、どの領域で仕事をラクにしていくか、その考え方も変わると思います。
そもそもロボット化した方が早い仕事というのは「人にしかできない仕事」ではないですし、人がやることを仮定して、そこの効率性を上げていったとしても、いつの時代かには、その効率化したものとは比べ物にならないくらい圧倒的に効率化されていきますから。
ライフハックの考えにも通じてくるなーと、考えさせられる良い機会でした。