カオス理論と日常
「カオス理論(Chaos theory)とは」
※ちなみにこれ、キャリアコンサルタントのテキストに書かれているような用語なので、人材領域において重要なフレーズです。「堅苦しそうだから読まない!」ではなく、ちょっと読んでみてください!
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複雑系の科学において「カオス」とは、、、
規則に従って発生したにも関わらず、不規則に見える振る舞いをする現象のこと。
従来、自然のなかの不規則な現象は規則に従わない確率的なものだと考えられてきたが、カオスの発見によって不規則な現象の中にも規則に従っているものがあるとわかってきた。
コンピューターによるシミュレーション実験によって、カオス理論の研究は急速に発展してきた。
カオスは、1961年に気象学者のエドワード・ローレンツが発見した数学モデル。
彼が天気予報を正確に予測しようとして、コンピューターを3回予測したところ、3回とも全く違い答えが出たところから疑問ははじまった。
追求の結果、最初の予測は小数点以下が6桁であったのに、検算は小数点以下を3桁で計算していたことが原因であるとわかった。
従来数学では小数点の違いは予測の精度の違いくらいにしか影響を及ぼさないと考えられていたが、初期値として入力した値の立った1,000分の1以下の誤差が、結果に大きな影響を与えた。
カオスは元々、ギリシャ語を語源とし、英語では「chaos」と記述され、「混沌、無秩序」などと訳されている。
カオス理論は、個人が複雑かつ非線形で、セレンディピティ(serendipity:偶然、幸せに出会う能力)に満ちた人生をありのままに体験する現実を扱う。
この理論によって、偶然、不確実性、地の限界、非線形の変化といった従来見過ごされてきた様々な現象に目を向けやすくなったと言える。
「最初のわずかな違いは全く違う結論を導き出す」というカオス理論は、日々の生活の中でのわずかな違いが私たちの未来を左右することを示している。
自分の行動パターンやテーマを自覚する労力をしつつ、わずかな違いを疎かにせずに過ごすことが、実は将来の展望を開くことに繋がることを教えてくれるように思う。
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引用:新版 キャリアの心理学―キャリア支援への発達的アプローチ
最後にもあるように、要はカオス理論って、「最初のわずかな違いは全く違う結論を導き出す」ということ。
僕も大学・大学院時代に経験しました。
Excelで解析結果をまとめていた時に、「何で同じことをやっているのに、違う結果になるんだ?」ということを。
違う結果というのは、見える範囲での結果は一緒なんだけど、数値的に全く一緒にならないという事象です(小数第何位のレベルで答えが一致しないということ)。
例えば、Excelの条件付き書式の設定で「全く一緒の数値になったらセルの色を赤にする」という条件を付けたときに、全く同じの結果が出るはずの解析を2回やっても、1回目の解析結果と2回目の解析結果を比較してセルが赤くならない、、、
超不思議でした。
で、何が原因だったかというと、解析プログラム的に小数点第8位とかの段階で誤差が生じており、それが原因で数値が全く一緒にならなかったということ。
当時の僕は「カオス理論」なんて言葉は知らなかったのですが、「少しの誤差でも結果に大きな影響を及ぼす可能性がある」という事実を知ることができました。
では、 日常においてこのカオス理論がどう関連してくるのか。
「カオス理論は、日々の生活の中でのわずかな違いが私たちの未来を左右することを示している。自分の行動パターンやテーマを自覚する労力をしつつ、わずかな違いを疎かにせずに過ごすことが、実は将来の展望を開くことに繋がることを教えてくれるように思う。」
上述した本にはこのように書かれていますが、この書かれ方ではちょっとわかりにくい。。。
超簡単に言うと、「ちょっとした狂いが結果を大きく変えてしまう」ということ。
前向きに言うと、「小さなことの積み重ねが良い結果を生むことに繋がる」ということ。
「これを積み重ねればこういう結果になる」ということではないのですが、そんな中でも「偶然」とか「不確実性」などの概念にフォーカスを当てて考えることが、自分たちの未来を良くすることに繋がるのだと感じます。
以前にも紹介しましたが、「神は細部に宿る」という言葉も同じようなことですね。
ある結果にたどり着く為には無駄なものはなく、些細なことでも一つ一つ積み重ねていくことが大切。
むしろ、細かいことほど気にすることが、結果的に大きな良い結果を生むのではないかと、僕は考えています。
先日、就活中の学生に聞かれました。
「何を意識して仕事してますか?」と。
「そうだな~、ラクをすることだね。」と答えました。
これには意味があります。
仕事って、自分のビジョンに直結することだけではないんですね。
※もちろん、ビジョンに直結することだけやっている人もいます。ただ、その方でも、修業期間や新人時代などがあったはず。そんな時には、「何でこれやってるんだろう?」と思うようなことも経験していると思います。
ビジョンに直結しなさそうな仕事をやっていると、「これって意味あるのかな?」と思うことがあります。
僕が言う「ラクをする」というのは、「ビジョンに直結しないような仕事に対する労力をいかに最小限にするのか?ということを考え続けて体現する」ということです。
そうすると、どんどん効率が上がっていき、最終的には「ラク」になるわけです。
ビジョンに直結しないような仕事をラクにこなすことができるようになれば、ビジョンに直結するような仕事に時間を割けるようになります。
ただし、ここでカオス理論の話です。
何をやったら正解かなんてわからない。
やってみて、検証してみて、はじめてわかること。
初期投資の時間は掛かるかもしれませんが、結果的にラクを生むことができるので、人生を楽しむことができますね。