どんなスタンスで仕事をするのか?どんなスタンスで生きるのか?
前回は、人生理念を貫けば無意識レベルで自分の目指しているものに近づいていくというような内容を書きました。
~人生理念を貫けば無意識レベルで目指しているものに近づく~
ナイチンゲールが以下のような格言を残していますが、まさにその通り。人間は思ったようにしかならないんです。
WE BECOME WHAT WE THINK ABOUT.|Earl Nightengale
人は自ら思い描いたとおりの自分になる|アール・ナイチンゲール
高校1年生から建築の世界で仕事をしたいと志を持ち、大学院まで建築を学び、修了後3年間はゼネコンで仕事をしてきたので、建築は大好きです。
その中で、ミース・ファン・デル・ローエ(1886–1969)というドイツ出身の建築家が残した2つの格言を紹介します。
仕事のスタンスとして、今でも活きていると感じています。
1つ目
「Less is more.」(より少ないことは、より豊かなこと)
彼はシンプルなスタイルを推し進めた建築家である一方で、家具のデザイナーでもありました。「よりシンプルに明確にすることが、より良いデザインにつながる」という考え方を持っていました。
追加要素を付け加えたり装飾品を飾り立てるのではなく、そこにあるモノから不必要な要素を差し引いていくことで、限りなくゼロに近い表現・スタイルとなり、生活をシンプルにしていくという考え方。
よくよくこの言葉を調べていくと、ライフハックの考えに似ていると感じてきました。・・・人生をもっと豊かにするために仕事をラクにしたい➥仕事をラクにするために不必要な要素を排除していきたい➥不必要なものを排除するために小さなことを改善させていく
「本当に必要なものだけを厳選していくと、それだけで人生は豊かになる」ということに繋がる格言だと思っています。僕自身も何かを買うときには「これがないと死ぬ?死なないなら買わない」ということを自問自答しています。そうすると、本質的に大切なものだけが残っていきます。そして、本質的に大切なものに集中していくようになってから、自分が仕事をしている意味や生きている意味を実感しながら毎日を過ごすことができています。
まさに「Less is more.」な人生ですね。
2つ目
「God is in the detail」(神は細部に宿る)
「細かなディテールを疎かにしては全体の美しさは得られない」「細かくこだわった細部こそが作品の本質を決める」といった意味を表しますが、要は「目のとめどころさえかっこ良ければいい」ということにも言い換えることができます。
人間の目は視野角度130度程度ですが、特定のディテールにフォーカスを当てると、そこにしか目がいかなくなります。例えば、部屋の中をイメージしてください。部屋全体のレイアウトがどれだけ整えられていても、ある一箇所(例えば、椅子の背もたれデザインや食器棚の取っ手のデザインなど)が気になると、そこの印象が部屋の印象を決めてしまうことってありませんか?
人付き合いにも言えると思います。一般的にはすごく良い人なんだろうけど、この人のここの部分が気になって、どうも仲良くなり切れない。なんてこと、僕はあるんですけどどうですかね?
広く物事を捉えられるからこそ、細部がより気になる。これが人間なのかなと。正確にもよりますけどね。
そもそもこの言葉、前職時代に上司から常に言われていました。建築の構造設計をやっていたのですが、「複雑なところに気をつかうのは当然。大切なのは、簡単なところにどれだけ気をつかえるか。簡単なところにこそこだわりを持って設計することこそ一流のプロの仕事。」というニュアンスのことをずっと聞いていたために、それが自分にとっては常に意識するポイントになっていました。
職は変わっても、僕の仕事のスタンスになっています。
「Less is more.」(より少ないことは、より豊かなこと)
「God is in the detail」(神は細部に宿る)
これらは建築家の格言ですが、建築だけでなく、仕事にも当てはまる、もっと言うと人生にも当てはまる素晴らしいメッセージだと思っています。