非エンジニアのLifeLog/LifeHack

総合建設会社で建築構造設計者としてキャリアをスタートさせ、現在は採用事業・紹介事業を通して人のキャリアを手助けしている僕が、備忘録として残しているだけのブログです。それが結果的に、どこかでだれかのためになれば良いと思っています。仕事をもっとラクにして、人生をもっと楽しくするために、ライフハックを続けていきます。

ライフログを振り返る/新入社員だった頃

現在勤めている企業では、毎年100人規模の新入社員が入社します。

 

f:id:NN-LifeLog:20180617122228j:plain

 

「調子はどう?」

この抽象的な質問を、会った際に直接投げ掛けたり、普段会わないメンバーにもチャットで投げ掛けたりしています。

 

「仕事面」

「プライベート面」

「体調面」など、、、

話し始めはメンバーによって違います。

 

「これがパッと出てくるネタなんだな」

「普段はこんなことを考えているんだな」

こんなことを考えながら話しつつ、このメンバーに対して話せることは何かないかなと考えています。

f:id:NN-LifeLog:20180617122433j:plain

 

 

全員に対して同じメッセージを伝えてもそのメッセージの受け取り方は違ってくるので、全体に向けて何かを発信するというのはあまり好きではないのですが、最近いろいろなメンバーと話をする中で感じたことを、自身のライフログの振り返りと共に書こうと思います。

 

 

==================================

目次

 ==================================

 

 
自分だけの「何か」が生まれると思って始めたライフログ

学生から社会人になるという変化は誰しもが経験すること。自分だけの変化として何か新しいことを始めたいと思い、本屋を歩き回りました。そこで出会ったのがこの本です。

diamond.jp

 

<以下、引用>

行った場所、食べた物、読んだ本、やりたいことリスト、レシート家計簿…。文章も写真も動画も投げ込むだけ!Googleでは検索できない、自分だけの「感動」と「発見」を一瞬で残し、きちんと未来に役立てる、クラウド時代の人生記録法。

 

 

Evernoteは学生時代から使っていて、モバイル端末とPCで常に同じ情報をチェックできることにメリットを感じていました。そのEvernoteを使って、今後の人生に活きる自分だけのデータベースを作ってみたい(自分だけの検索エンジンを作るイメージ)と強く感じたことがキッカケとなり、Evernoteを使ったライフログがスタートしました。

 

昔の僕は、周囲との比較によって自分の価値を図るということをしていました。自分の周りにいる人たちとの相対的な比較により、自分が優っている劣っているということを考えていました。

ただ、周囲にはどんなに努力しても追いつかないほど優秀な人がいたり、同世代には世界を舞台に活躍しているスーパースターがいたり(僕は香川世代ですが)、、、視野を広げていくとキリがありませんでした。

今からどんな努力をしても追いつかないと感じてしまう領域にいる相手と自分を比較したところで何も生まれない、むしろその邪念が邪魔をして、これからの自分の成長スピードを落としてしまうと感じました。

それであれば、相対的に自身の価値を図る前に「まずは絶対的な自身の価値を生み出したい!」「それをこれからの人生の中で生み出せないか?」と思うようになり、ライフログを始めました。

 

自分の絶対的な価値を生むという目標に向かう手段が「ライフログ」だった理由はただ一つ。

「自分の人生は誰にも真似できない唯一無二のもので、自分にしか提供できない絶対的な『何か』を発見したときに、ライフログを残すことでそこに行き着いたプロセスを明確にすることができる。そうすれば、そのプロセス自体をさらに自身の価値にできるのでは?」という考えがあったからです。

 


ライフログが生み出したもの

ライフログを残す」

始めた頃はこれ自体が宿題のようなものになっていました。

 

「今起きた」

「ラーメンを食べた」

「家を出発した」

「会社に着いた」

「スタバで本を読んでいる」

「スーパー買い物5,000円」

iPhoneケースはこれを買った」

etc...

f:id:NN-LifeLog:20180610224849j:image

↑当時のノート↑

 

些細などうでも良いことをログとして残すことを数ヶ月繰り返していました。残している内容自体に全く意味はなかったのですが、「ライフログを残す」ということを自身の習慣とするには必要なことでした。

ではなぜライフログを習慣化したかったのかというと、自分の感じたことやその時の心境を常に残したかったからです。

 

「起きた」とか「ラーメン食べた」とかではなく、自分の気持ちを残すということが本質的には大切だと思っていました。ただ、感じたことや思ったことを残すというのは意外と忘れがちで、「あの時なんて思ってたっけ?」と後悔することもしばしば、、、 

自分の置かれた状況や年齢や経験によって、感じることや思うことは変化してきます。その時の瞬間的な感情を残すことにより、あとで見返したときに自分の成長を感じることができると思っていましたし、今もそう思っています。

 

f:id:NN-LifeLog:20180610225609j:imagef:id:NN-LifeLog:20180610225616j:image

↑自身のキャリアについて残した最初のノート↑

※入社20日目にして自分の将来と現在置かれた状況を照らし合わせて、どういう自分になりたいのかを考えていました。結果的に転職を経て、採用や育成を通して当時感じていたことを体現しています。

 

ライフログを残し続けることで、こういった「その瞬間で感じたこと」を記録する習慣を身に付けることができ、自分を客観視することで常にブレない自分を確立させることができています。

人間は弱いもので、外的要因によって自身の意見が変わることがあります。外的要因によって生まれたその意見は、自身の軸と重ならないことも多々。しかし、そんな時でも都合良く自身の中でその矛盾を調整してしまうんです。証拠が残ってないから、自分の中でいくらでも調整できるんです。

一方で、常に感情や思考を可視化していくと、自身の軸から外れた考えを残している場合、あとから振り返った時に自分の軸がブレていることに気づきます。同時に、自分の思考や感情が整理できていないことに気づくので、改めて自分の軸を持たなければならないと思い直すわけです。

 

最近発見した記事ですが、科学的な根拠もあるようです。

careerjourney.jp

 


入社1年目の状況を整理する

ライフログを始めたことで、どんな時もブレない自分の軸をつくり出せてきたわけですが、僕自身がどんな入社1年目を過ごしてきたのかを、ライフログを交えて振り返ってみます。

※僕が採用に携わったメンバーを対象にこの記事は書いていますので、興味のない方はここで離脱してください。また、僕がこうだったからといってそれを押し付ける気も全くありませんので、一つの気づきとして捉えてください。

 

僕が新卒で入社したのは総合建設会社(ゼネコン)で、最初の1年間はどの職種でも現場を経験するという決まりがある会社でした。建設現場では職人さんとともに建築をつくり上げるという仕事を経験しました。いわゆる施工管理という仕事です。

僕が採用された職種は「建築構造設計職」というもので、同期が180名近くいる中で3名しかいない職種だったため、この同期の存在は1年目を過ごす上でかなり大きな支えとなりました。


入社してから配属までの流れですが、20日間ほどは新入社員全員で研修をして、その期間で配属先が決まり、4月後半から現場に配属されるというものでした。

※配属支店は入社の段階で決まっており、僕は関東支店という支店の配属でした。この「関東支店」がかなり厄介で、東京支店・千葉支店・横浜支店と関東圏の支店がある中で、関東甲信越を含むそれ以外の関東圏にある現場が含まれる支店なんですね。

 

入社してまず、僕は埼玉県上尾市にある社員寮に引っ越しました。トイレや水回りが全て共同で、部屋だけが与えられるシンプルな寮でしたが、朝早くに家を出て夜遅くに帰ってくる生活、休みの日は必ずどこかへ出掛けようと決めていたので、そんなシンプルな部屋で充分でした。休日はどこかのスタバへ行き、朝から夜まで読書や勉強をしていました。

 

僕の最初の現場は栃木県宇都宮市
引っ越した上尾から通うことはできず、現場配属となると同時に現場宿舎にまた引っ越し。しかも、現場宿舎から現場までは車で20分ほどの距離。現場事務の方に最初に言われたのは、「車ないの!?じゃあ、ホームセンターで自転車を買っておいで!」

 

その現場には約8ヶ月間いたのですが、思い返すだけで「よく乗り切ったな」と思います。ただ、同期の話を聞くと、自分はマシだったのかなとも感じます。

  

==================================

 

・1年目に3つの現場を経験。「野村くんは適応能力が高いから、1つの現場じゃなくて複数の現場を経験させたかった。」と、エリアを管轄する工事長から言われた。最初は「なんでこんなにたらい回しにされんだ」と思っていましたが、本当かどうかわからないですが、異動の意図を聞いて腹落ちした。

 

・2年目からは本社での勤務ということが決まっており、それを配属先の社員や職人さんも知っていたので、「どうせ来年は本社に行って設計の業務になるんだろ」ということを言われてあしらわれることも。自分からインプットの機会や人間関係構築の機会をつくっていかなければ、成長てきない環境。自身の成長を加速させるために、プライドや遠慮を取っ払うことができる自分に。

 

・仕事における「立場」に疑問を感じていた。はるかに経験値の高い職人さんに対し、現場の管理者として厳しい口調で詰めなければならないことも。仕事の関係性を強く感じ、そこに人としての思いやりを感じない場面もありました。ただ逆に、会社としてシビアに売上を立てる際には、そのような厳しさが時にはないと馴れ合いの関係性になってしまうということを実感。

 

・新入社員として研修や勉強会などで様々な先輩社員と関わる機会があった。立場、職種、年次などの違いがある中で、どのような発信をしているのかをインプットすることができた。意識しなければ流れて忘れてしまうことでも、こまめにメモを残して定期的に振り返ることで、その後の自身の働くモチベーションになった。

 

・現場というフィールドにおいて「人」にフォーカスを当て、様々な人がいる中で自分の芯を持つことの大切さを実感した。それと同時に、相手に対する思いやりを持つことで、スキルや知識を身につける前に信頼を掴むことができ、成長の土台を作ることができるということを感じた。

 

・新入社員として誰よりも早く現場へ到着し、その日の業務をスタートさせる準備をすることの大切さ。「誰かがやるだろう」ではなく「自分でやろう」を意識する。誰も見ていなくても良い。その能動的なアクションが、どこかで自分に返ってくる。

 

==================================

 

しんどい環境だというのはもともと覚悟していたので、「つらい」「やめたい」「逃げ出したい」なんてことは思ったことはありません。そんなことを考えている暇があったら、「どうすれば自身の成長に結びつくかどうか?」をひたすら考えていました。

 

1年目に経験した全ての経験が、今の自分の土台になっていることは間違いありません。

 

 

当時残したライフログを振り返る

以下、当時残したライフログノートのスクショと追加コメントを載せます。

 

社会人1年目としてこのようなことを考えていたという事実を、今になっても確認できること自体が自分自身の財産ですし、ライフログを残していて良かったと改めて感じます。

==================================

f:id:NN-LifeLog:20180617003921j:image

※物事の伝達について感じたことです。「相手がこう思うだろうから言えない、言わない」ではなく、忖度のないフラットな関係性を当時から求めていました。

==================================
f:id:NN-LifeLog:20180617003918j:image

※180名いる同期が続々と辞めていく中で感じたことです。仕事の本質を当時から意識していました。

==================================
f:id:NN-LifeLog:20180617003910j:image

※「先輩の言っていることは全て正しい」と感じるのではなく、自分の中で落とし込むことが大切。伝える側も、相手が100%受け入れてしまう可能性があるということを意識しないといけないと感じていました。

==================================
f:id:NN-LifeLog:20180617003906j:image

※1年目の支店長からのメッセージ。今は役員として会社を支えている方で、立場うんぬんではなく、発信に思いやりを感じる方だった。支店での新人研修で言われたことだったが、こういう何気ないメッセージも自身の成長の糧になる。1年目に何度も読み返したノート。

==================================
f:id:NN-LifeLog:20180617003925j:image

※最初の現場で一緒になった先輩の話。自転車で通う僕のことを心配してくれて、車に乗せてくれた時の出来事です。今も大切にしていることで、「与えられた環境の中でどれだけできるか」「今の状況にどれだけ夢中になれるか」ということを学びました。

==================================

f:id:NN-LifeLog:20180617123612j:plain

※画像の中でこれだけ手書きですが、毎日必ず残していた振り返りノートです。1日1日を大切に、常に改善と成長を意識していました。

==================================
f:id:NN-LifeLog:20180617003834j:image

※先輩だからといって仕事ができるかどうかは別の話。尊敬すべきでない先輩の話を聞いている時でも、学びや気づきはあるもの。

==================================
f:id:NN-LifeLog:20180617003913j:image

※1年目に担当していた仕事に対して、意識が低くなってきたなと感じた時に残したノート。受け身になっている自分を客観的に見て、そのまま継続していては目標としているレベルに達しないと感じ、改めて意識を高く業務に臨めるようになりました。

==================================
f:id:NN-LifeLog:20180617003902j:image

※例えば、現場事務所の掃除とかが挙げられます。みんながやりたくないなと思う仕事を率先してやっていくと、思いもよらないところから感謝の言葉が掛けられる。建物をつくるという仕事でも、「つくりたいからやる」という自分視点ではなく「ユーザーが喜んでもらえるようにやる」というような他者視点を持っていると、感情の起伏に左右されることなく、モチベーションを維持できます。

==================================
f:id:NN-LifeLog:20180617003844j:image

※理不尽なことや納得いかないことも多々。人が足りないから教育に手が回らないというのは、どの会社に行っても共通の課題であって、その課題感を、教える側ではなく教えられる側が理解しておく必要があると感じていました。

==================================
f:id:NN-LifeLog:20180617003841j:image

※上記の続き。すごく頑固ですね、、、ただ、「技術的な成長より人間的な成長を優先する」というスタンスは今も変わりません。技術的な部分は、後からいくらでも上乗せさせることができるからです。

==================================
f:id:NN-LifeLog:20180617003854j:image

※こんな先輩もいました。学校で出会っていたら絶対に友達にならないタイプだけど、自分の人生を豊かにするために、社会人スキルを上げていくために、この人の考え方や価値観をもっと知っていきたいと思えた方。現場において、そのような方と仕事ができたことを幸せに感じました。

==================================

 


伝えたいことは「仕事に対する姿勢」

この記事を通して「こんなことを経験してきたんだよ」なんてことを言いたいわけではありません。僕なんかより過酷な状況を経験してる人はたくさんいますからね。この記事は入社1年目や2年目のメンバーへ向けて書きましたが、伝えたかったのは「自分なりの仕事に対する姿勢」を確立させてほしいということです。

 

みんなにはたくさんの同期がいます。同期として同じタイミングで入社したのは事実ですが、置かれた環境も違う、関わる人も違う、目標としている成長へのスピード感も違う。そんなことはわかっていながらも、同期の実績を見ると、自分がやっていないことを既にやっていたり、自分以上の実績を出していたり、、、焦る人が多いんじゃないでしょうか。

 

f:id:NN-LifeLog:20180617130718j:plain

 

ただ、忘れてほしくないのは「なぜ自分はこの環境で頑張ると決めたのか?」ということです。それは決して相対的なものではなく、自分自身で下した絶対的なものだと思います。それが定まっているのであれば、あとは自分自身が与えられた環境の中で夢中になって努力するだけ。そこに他者を介在させる余裕なんてないはずなんです。

 

周囲に影響されることない「仕事に対する姿勢」を確立させることで、ブレない自分をつくり上げていってほしいですね!ブレない自分をつくり上げることで、ライフハックの本質である「仕事をもっとラクに」「人生をもっと楽しくするために」という部分につながりますよ!